韓国の大手芸能事務所(S.M. Entertainment)で、Red Velvetなどの作曲やプロデューサーをしているホン・ジョンファさんにレビューしていただきました。
UCOTECH Short Review by Hong JongHwa
IL500 Grazioso-Titanium Diaphragm
IL300 Affetto-All Stainless Steel
ES1103 Grandiose Sonner-Aluminum
音の定位が明確な3つのイヤフォン
個性がはっきりしている
IL500
周波数帯域を良好に表現し、全体的に補強した感じ。
IL300
高解像度を追求し、これによって高域がやや強調された感じ。
ES1103
スマートフォンと共に日常生活で様々な音を破綻無く再生するオープン型イヤフォン。
個人的な好みで3種類の中から1つのイヤフォンを選ぶなら?
私は作曲家であり、マスタリング(※楽曲製作で録音と編集の後に最終的な音を調整する作業)に関心を持っているので、フラットなモニタリング志向のイヤフォンを好むようになる。
このようなNeedsに最も合致するイヤフォンはIL500graziosoだ。
イヤフォンのトレンドは、高解像度を追求する方向に進んでいるようだ。
そのため、インイヤフォンのハイエンドと言われるゼンハイザー社のIE800、またはシュアーSE846、Ultimate Ears 900proなど、過去のモデルとは違って、高音の帯域がやや強調されているのが現状だ。
高音が強調されると、その分、中低域が不十分なように聞こえ、中低域が強調されると、相対的に高域が息苦しいように聞こえる。
音はまるで平らなトレーに置かれたビーズのようにバランスを合わせることが決して容易ではない。
ある特定の周波数帯域が強調または不足している場合、その音で音楽を長時間聞いていると、心理的に物足りなさを感じたり耳の疲労を感じることになる。
このように、ある特定の周波数帯域の加減をできるだけ排除し、更に全ての周波数帯域がフラットであることも、モニタリングの重要な問題であり、
モニター的な志向は退屈という表現よりも無色無臭に近い。
元の録音の意図とミキシングとマスタリングの現場をリスナーにそのまま伝えることができ、制作者と同じくレコーディングエンジニア、ミキシングエンジニアの作業を感じることができるといった楽しさを提供しなければならない。
こうした基本的な方向性にこそが、調味料を少し加え、リスナーに適切だと思われるメイクアップをするイヤフォンメーカーの哲学だと考えている。
このような点から見ると、IL500は基本的な全周波数帯域を良く消化しながら、低域の表現を与えることができるコストパフォーマンスに優れたイヤフォンと言えるだろう。
また、音が高級だ。この感覚は多少あいまいな表現であるかもしれないが、音の密度感が高いという意味に近い。
全ての周波数がフラットに出る、まるで良質なオイルのような感じだ言えば分かりやすい表現だろうか。
材質も気を使ったと感じる。聞こえる音も重要だが、目に見える部分も心理的な高級感を倍加させていることがオーディオ機器の特徴と考えており、この点でIL500は、この製品より何倍も高い価格のモデルと比較しても遜色のないデザインである。