PCサウンドからPCオーディオへの道2

前回の「PCサウンドからPCオーディオへの道」の続きです。

USBオーディオの初代標準「TENOR」

16Bit/48kHzが上限だったUSBオーディオでしたが、台湾から24/96に対応したTENORというUSBオーディオコントローラーICが登場しました。
これはStyleaudioとDR.DAC2が採用し、USBオーディオの24/96対応が一気に広まりました。
TENORはテノールとトナーと読む人がいますが、私はテナーと読んでます。

私ごとの余談ですが、初代DR.DACは企画段階での市場調査と発売前のマーケティングを担当し、DR.DAC2ではコンサルタントとしてマーケティングに関わりました。DR.DAC2のマイナーチェンジ版やそれ以降の機種はzionote立ち上げ後なので関わってません。

TENORチップの話しに戻りますが、このチップはUSB Audio Class 1.0対応で、WindowsでもMacでもドライバーのインストールをしなくても24/96の再生を行え、I2S出力で外付けDACICを使えるので、USBオーディオのメインソリューションとなり、現在でも広く使われています。

その他のUSBオーディオIC

EnvyUSB

PCIコントローラーで全盛を誇ったEnvyにもUSBチップの話しはかなり昔からあり、初代Dr.DACの発売前にもその話題のやりとりをしていた記憶があります。
インプレスAVWATCHにも近日登場の記事が数年前に掲載されて、やっと出るのかと読んでましたがそれ以降も登場せず、2011年に32/384というハイスペックで登場しましたが、いろいろあってzionote製品では採用してません。

CMedia CM66xxシリーズ

CMediaはサウンドカード全盛時代にサウンドブラスターという事実上標準的に使われたブランド製品と同時期からサウンドカードに使われてましたが安価なモデルが多く、DACICの外付け対応にも遅れ、USBオーディオの発展にも後れを取りました。CMI6631では非同期転送で32/192にも対応しますが、これもzionote製品では採用してません。

その他にも中華チップなどもありますが、数字のスペックはともかく実際の音と安定性、不良率などから採用してません。

X-MOS

現在のUSBオーディオコントローラーはX-MOSが事実上の標準、デファクトスタンダートとなってます。
X-MOSはUSBオーディオコントローラーではなく、プログラミングでプロセッサーを作るようなしくみで、機械制御や各種シミュレート、PCオーディオでは非同期転送、USB Audio Class 2.0で24/192やDSDにも対応してしまうICです。
ちなみにXMOSはイギリスのベンチャー企業で、名前を聞くようになったのは、zionoteを作る少し前くらいだったように思います。
それが今ではPCオーディオの必需品で車載コンピューターから業務用まで幅広く使われてるなんて凄いチップです。

USBオーディオ

USBオーディオとは、まずパソコンとのやりとりをするUSBコントローラーがあって、そこからアナログ音声か、SPDIF、I2Sなどのデジタル信号を取り出してDACICに入力という流れになります。
USBコントローラーに内蔵されているDAC機能のアナログ出力を使えば外付けのDACICを使う必要もありませんが音質もそれなりになります。
コストと基板の面積を使ってDACICを外付けにすれば、DACICの性能と回路にそった音質を得られます。

よって大まかに言えばUSBコントローラー、DACICとその周辺回路、アンプ回路、この3段階がUSBオーディオの構成となります。

それぞれの箇所の大まかな見方は、
USBコントローラーはビット数、周波数、フォーマットた転送方式を見ます。
・PCM2704(16/48) アナログ出力も可能
・TENOR(24/96) 外部DAC回路が必要
・X-MOS(24/192、DSDも可能) 外部DAC回路が必要

DACICはダイナミックレンジ、SN比、対応フォーマット、I/V変換(電流I=Intensity of Currentを電圧V=Voltageに変換すること)の仕組みを見ます。
I/V変換回路でも音が変わりますが、コストのかかる場合が多いので、低価格製品ではI/V変換を外付けにせず、内蔵式のDACICを使う場合もあります。
・TexasInstruments:PCM179xシリーズ
・Wolfson:WM87xxシリーズ
・AKM:AK439xシリーズ

アンプはOPAMP、IC、ディスクリートがあります。

USB回路とDACICに外付けで良いクロックを使えば音が良くなります。
そして電源とノイズ対策があります。

一番簡単なのはUSBコントローラーとDAC、アンプまでワンチップになっているオールインワンチップを使う方法です。
低価格製品や小型製品はこの方法が多いです。
次に、OPAMPなどで作ったアンプ回路を組み合わせる方法。
そしてDACICを搭載する方法、更にI/V変換を良い回路で組む方法。
アンプはOPAMPが一般的ですが、ディスクリートで組む製品もあり、アンプICを使う方法もあります。

音質は良い悪いと好き嫌いがありますが、設計とパーツ・サイズ・価格は好き嫌いに関係無い部分とも言えるので、ある程度分かるとPCオーディオも更に楽しめるのではないでしょうか。