izo iHA-21EX-2013&iPSU-1-2013レビュー「S様」

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izo iHA-21EXをお使いで、System13のiHA-21EX-2013にアップデートされ、同時期に電源のiPSU-1-2013との構成にされた東京都にお住まいのS様より写真と共にレビューを送って頂きました。

Macを使ったUSBオーディオで、プチノイズ(音切れ、クリックノイズ)でお悩みになり、zionoteにお問い合わせをいただきました。
当初はzionote扱いの別のUSB-DDCをご検討されてましたが、やりとりをしながらパソコン側の使い方で改善できるのではと進みました。

ご参考いただける方が多い内容で、とても細かく長く書いて頂いたので、数回に分けて掲載しようかとも思いましたが、内容と勢いを一気に読んで頂いた法が良いと思いましたので、ぜひご覧ください。

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■izo iHA-21EX(-2013) レビュー

PCオーディオを始めて5か月になります.PCに関しては素人です.
オーディオにはそれなりに金をかけていますが,現在のメインシステムは1991年末にそろえたものです.CDプレイヤーは3回買い換えましたが,レコードプレーヤー,プリアンプ,スピーカーとは22年のつきあいです.
マニアというほどオーディオには詳しくもなく,ひんぱんに機器を買い換えたり,セッティングやケーブルを変えたりして,“突き詰める”タイプではありません.

色づけの少ないモニター系の音が肌に合うようです.
CD:6000枚,LP:7000枚のジャズファンです.

【現在のオーディオシステム】

現在のオーディオシステムは,以下のとおりです.
◆メインシステム
CDプレイヤー:DENON DCD-SA1
レコードプレイヤー:THORENS TD520
DAC:VICTOR XP-DA999 (zionote注:1997年発売のDAコンバーター。当時の価格で60万円弱、今でも中古で20万円くらい?)
プリアンプ:SONY TA-ER1(zionote注:20年くらい前の高級プリ。当時100万円くらい。今でも中古で40万円近く?)
スピーカー:ATC SCMー50A(zionote注:20年くらい前の高級スピーカー。当時150万円前後?今でも状態が良ければ50万は軽く超えます)
レコーダー:MARANTZ CDR630(zionote注:サンプリングレートコンバーター内蔵の業務用CDレコーダー。)
ヘッドフォン:Beyerdynamic T1

◆デスクトップシステム

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PC:MacBook Pro 15インチ Retinaディスプレイモデル(2.6GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ,512GB フラッシュストレージ,メモリ 8GB)
再生アプリ:iTunes 10.7+Audirvana Plus 1.4
外付けHDD:LaCie LCH-2B6TTB(容量6TB,サンダーボルト接続)
ディスプレイ:ナナオ 24.1(61cm)型カラー液晶モニターFlexScan EV2436W-FSBK
ポータブルCDプレイヤー:PANASONIC SL-S170
USB-DAC:izo iHA-21EX-2013iPSU-1-2013
スピーカー:Bose M3KRIPTON KS-3HQM
ヘッドフォン:SENNHEISER RS220(ワイヤレス)

オーディオに限らず,わたしが趣味のものを購入する場合,
クォリティ:4割,デザイン:3割,機能・使い勝手(便利さ):3割
といった基準で製品を選ぶことが多いようです.価格は納得すればほぼ度外視です.

極端な例をあげますと,ヘッドフォンの Beyerdynamic T1 は,わたしにとってはじめてのヘッドフォンですが,デザインのみで選びました.

量販店をぶらついているとき,高級ヘッドフォンが並ぶコーナーで,ひときわ地味にたたずんでいる T1 が目にとまりました.ひと目ぼれです.メーカー名やロゴの表記も目立たず(聞いたことのないメーカーでしたが,重要なポイントです.ブランド名をでかでかと描き,いかにも有名メーカー品ですと主張しているようなものはパスです),奇をてらわず,豪華さや高級感とはほど遠いオーソドックスなデザインと,金属部分の「シャンペンゴールドのチタン」といった色あい・質感にこころを奪われ,ろくに試聴もせずに家に帰ってネットで購入してしまいました.
10万円もするヘッドフォンを“ジャケ買い”していいものか,一瞬悩みましたが「わたしの部屋の中にいてほしい」という欲求が勝りました.

最初は全体的に音が硬く,とくに高音がきつい印象でしたが,鳴らしこんでいくうちにバランスもよくなりました.ネットでの評判などを確認して,有名なメーカーであること,価格相応の優秀な製品であることを,あとから知りました.

3mの延長ケーブルを接続してデスクでも聴けるようにしましたが,デスクで作業しながら使うにはケーブルがじゃまで,のちにデスクトップ用にワイヤレスのSENNHEISER RS220 を買うことになりました.そこではじめて複数のヘッドフォンを聴きなれた音源で聴き比べ,あらためて Beyerdynamic T1 の実力を実感したものです.

RS220も,音質的にダメということではなく,ワイヤレスはたいへん便利なので,けっこうひんぱんに使っています.デザイン的には,黒いプラスチックのオモチャですが…

余談ですが,プリアンプのSONY TA-ER1には,ふつうはありえませんが,後ろ側にもヘッドフォンポートがあり,前面のスイッチでスピーカー出力とヘッドフォン出力を切り替えられるようになっています.後ろ側のポートのほうが音がよいといわれているので,T1用の延長ケーブルは,常時そちらに接続してあります.

デザインのみで買った T1 と機能・使い勝手(便利さ)だけで買った RS220は対照的な例ですが,izoのUSB-DAC iHA-21EXも,販売店での試聴をせずに,「デザイン」と「機能・使い勝手(便利さ)」だけで買った製品です.

いま考えると,USB-DAC というのは,立ち位置の微妙なアイテムですね.オーディオとPC周辺機器とのあいだで揺れ動いている印象です.TASCAMなどの数千円の製品から,50万円以上のピュアオーディオDACにUSBインタフェイスをつけたものまで,価格帯もさまざまです.

わたしの場合は,iTunesを使いはじめたときに,PC周辺機器としてデスクトップで使うことを前提に,コンパクトでデザインのよいもの,入出力の豊富なものという条件と,ネットでの評判を参考にして選びました.

デスクトップシステムの接続は,
MacのUSBポートから,ベルキンのUSBハブを経由してiHA-21EX-2013にUSB接続.
PANASONICポータブルCDプレイヤーのライン出力(ミニステレオ,固定)からiHA-21EX-2013のRCA入力に接続.
(iTunesへのCD読み込みは,Apple USB SuperDrive を使用)
iHA-21EX-2013のRCA出力から6mのRCAケーブル(BELDEN 8412)で,メインシステムのプリアンプ:SONY TA-ER1のライン入力に接続.
iHA-21EX-2013のヘッドフォン出力からSENNHEISER RS220 トランスミッタのRCA入力に接続.
SENNHEISER RS220 トランスミッタのRCA出力からデスクトップスピーカー KRIPTON KS-3HQMまたはBose M3に接続
というかたちです.複数の入出力をもつiHA-21EX-2013は,完全にPCオーディオシステムの中核となっています.
KRIPTON KS-3HQMは,WindowsPCにもUSBで接続しています.

【PCオーディオ5か月の経緯】

PCオーディオを始めてから現在まで,以下のような経緯です.
昨年9月に11年ぶりにMacを買い替えました.
購入から1か月くらいは,古いMacからのデータ移行,インターネットやメールの設定,DTP系のアプリケーションのインストールなどに追われ,10月上旬,初めてiTunesの正体(?)を知りました.
それまでは,iTunesという名前は聞いていましたが,若い人が携帯音楽プレーヤーで音楽を聴くためのアプリケーションで,自分には縁のないものと思っていました.

アップルサポートに別の問題で問合せをしていたとき,別の目的で音楽CDを入れたところ,iTunesが立ち上がって読み込まれました.何枚か読み込ませてみると,複数のアルバムが自由に,かなりの高音質で再生できることを知りました.そのときから,PCオーディオとの格闘が始まりました.

4年くらいしまいこんでいたBOSE M3を引っ張り出してきて,イヤホンポートに接続してみました.悪い音でではありませんが,なにか物足りません.
ネットでUSB-DACというものの存在を知り,いろいろなレビューなどを調べ,機能やサイズ・デザインなどを検討した結果,izoのiHA21EXを購入しました(10月19日).
音質は格段にアップしましたが,再生中にパチパチというノイズ,曲の変わり目にポツッというノイズが入ります.

USBポート,ケーブルの変更などを試みましたが改善せず,izoカスタマーサポートにメールしました.
数回メールのやりとりをしましたが,有益なアドバイスが得られず,症状も改善しないため,iHA21EXを諦め,クリプトンKS-3HQM(DAC内蔵アクティブスピーカー)を購入しました(11月5日).

この時点ではまだ,「PCオーディオはデスクトップスピーカーで楽しむもの」という先入観にとらわれていました.
しかし,クリプトンKS-3HQMも,程度は異なるもののやはりノイズが発生し,満足な再生は得られませんでした.

また,このころに,ネットの情報から,再生用アプリケーション「Audirvana Plus」の存在を知りました.試してみると,かなり音質が変わることに驚きましたが,ノイズに対してはあまり効果がありませんでした.

解決策を探してネットを模索しているときに目にとまったのが,AirMacExpressです.
8400円という価格で,無線接続で,メインシステムからの再生が可能ということですから,試してみない手はないということで購入しました(11月10日).

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簡単なセッティングをしてiTunesを再生してみると,使いなれたスピーカーから,予想以上の音が聴こえてきました.
それは,ノイズがなく,なめらかで情報量の多い音で,CDプレーヤーでの再生と比べても遜色のない音質でした.
しかし,致命的な欠点がありました.
AirMacExpressでの再生は,多いときで1時間に数回,少ないときでも数時間に1,2回,音が途切れたり(1~2秒間の無音状態),針飛びのような音がずれる現象が発生するのです.
精神衛生上たいへんよくない現象で,音楽を気持ちよく聴くことができません.

AirMacExpressは,価格から考えると,非常に優れたDACだと思います.
MacでiTunesを再生することに特化してチューニングされていることと,USBを経由せずにデータをとっていることによって,あれだけの音質を実現しているのかもしれません.
色づけがなく,平坦な印象で,面白みに欠けるところもありますが,音が途切れる現象さえなければ,メインの音楽再生に常用できる音質だと思います.

ネットで調べると,同様の症状は多くの人が経験しているようですが,LANケーブルで接続しても同様に発生し,アップルでも,確実な解決方法はないとのことでした.

しかし,いったんメインスピーカーで聴いてしまうと,もうデスクトップスピーカーには戻れません.
いくつかのキーワードをもとに,PCオーディオの他の再生機器やノイズ対策などについて調べていくうち,HiFace2という機器をみつけました.iTunes再生時のノイズ軽減効果があるというレビューもあり,MacBookProのUSBポートとiHA21EXのあいだに入れるか,同軸ケーブルを直接,メインシステムのDACにつないでみたら効果があるかもしれないということから購入を考えました.

取り扱いをしているzionoteさんに電話で相談してみたところ,izoさんとつながりがあり,iHA21EXもよく知っているとのことで,ていねいに説明してくださいました.
具体的な対応策として,MacBookProのUSBポートとiHA21EXのあいだにUSB2.0対応のハブをはさむ,という方法を提案していただきました(11月20日).

USBハブは高いものではありませんし,音質改善効果がなかったとしても,USBポートが2つしかないMacBookProユーザーにとっては無駄になるものではありません.

さっそく購入して接続してみました.
zionoteさんのウェブサイトには,そのほかにもPCオーディオでのトラブルに対するさまざまな解決策や対応方法が記載されており,それらのいくつかを試していくうち,驚くほどノイズが低減していきました.
izoさんのカスタマーサービスも,早い時点でzionoteさんのウェブサイトを紹介してくれていれば,空しいメールのやりとりや無駄な買い物をせずにもうすこし早く解決したのに,と残念な気持ちでした.

これらのノイズ軽減効果は,iHA21EXのRCA出力をBOSE M3およびクリプトンKS-3HQM_のアナログ入力に接続して確認したのですが,納得できるレベルになったところで,6mのRCAケーブルを購入してメインシステムのプリアンプに接続してみました.(AirMacExpressをLANケーブル接続した時点で,デスク上のMacから,ソファーの下,カーペットの下を通してメインシステムのプリアンプへつなぐルートをつくってしまっていたので,ためらいはありませんでした)
ほぼノイズのない音楽が再生され,Audirvana Plusを併用することで,メインの再生システムとして十分常用できる音質となりました.デスクトップスピーカーでの再生よりノイズが少ないのは,メインシステムのプリアンプの力も与っているかもしれません.
そして,そのときから,CDプレーヤーはほとんど出番がなくなりました.

また,iTunesでノイズのない再生が可能になった時点で,ゼンハイザーのワイヤレスヘッドフォン RS220も購入し,夜間でも納得できる音質・音量で鑑賞できるようになりました.

最初にzionoteさんに相談したときに結果を報告するという約束をしたので,12月4日に電話をかけて報告した際,2013ヴァージョンの発売を教えていただきました.
izoさんにメールで確認したところ,アップデートサービスを予定しているとの回答をいただき,2013年1月上旬,アップデート,および専用電源購入にいたりました.
アップデート料金はきわめて良心的な設定で,差額+返送料+わずかな手数料のみでした.

ノイズの問題が解決したあとの12月の1か月間,iTunesを再生していて,わたし自身としてはとくに不満はなく,このままずっと使用してもよいと思っていました.しかし,電話で話したとき,zionoteの町田さんが,今回のヴァージョンアップでの音質の向上がめざましいこと,以前のものに比べて,専用電源を使用した場合の効果も大きいことを強調していらしたので,現状のワンランク上の音を聴いてみたいと思い,アップデートと専用電源購入を決めました.
アップデートされたiHA21EX-2013が1月10日に届き,専用電源が届いたのが1月13日です.
その後は,ハード面ではなんの問題もなく,PCオーディオを楽しんでいます

 

【izo iHA-21EX(-2013+iPSU-1-2013)についてのレビュー】

◆デザイン

前にも書いたように,iHA-21EXは,ネットで検索して,デザインと機能・使い勝手を条件にして選びましたので,デザインは気に入っています.添付した写真でおわかりのように,コンパクトなサイズでデスクの上で浮いてしまうようなこともなくとけこんでいます.
“浮いてしまう”例としては,iHA-21EXとデスクトップスピーカーを接続するために,L字型6.3ミリプラグと3.5ミリステレオミニプラグのものを,最初ベルデン88760というケーブルでつくってもらったのですが,このケーブルの赤い色が,ラックに納めた機器を背面で接続するのであれば見えないから問題ないのですが,デスクの上ではどうにも目障りで,グレーのノイマンケーブルでつくりなおしてもらったことがあります.
iHA-21EXは,アルミボディの色あいも,MacBookやデスクトップスピーカーのシルバーとマッチしています.前面のヴォリュームつまみやスイッチ類の配置なども趣味がよいように思います.
添付した写真の,メインスピーカー ATC SCMー50A や,ヘッドフォン:Beyerdynamic T1などを見ていただくと,機器に対するわたしのデザイン的な好みがわかっていただけると思います.

◆機能・操作感

機能面では,現在のところ不満はありません.このサイズとしてはRCAの入出力や,複数のデジタル入出力を備えているところは,たいへん便利です.
RCA出力のパススルー/プリアンプ切り替えは,最初うまくできなかったのですが,説明書を読みながら何度か試しているうちにできるようになりました.電源スイッチを長押ししてインジケーターが点滅しているあいだに,切り替えスイッチを押すというところがポイントでした.
RCA出力とヘッドフォン出力を切り替えられ,両方オンにもできるところも便利です.現在は,RCA出力はパススルーで,ヴォリュームはヘッドフォン出力のコントロールのみに使っています.システム構成のところで書いたように,ヘッドフォン出力はSENNHEISER RS220 トランスミッタを介してデスクトップスピーカーとワイヤレスヘッドフォンに接続しています.
ヘッドフォン出力のゲイン切替え,アナログ/デジタル入力切替えのスイッチは,一昔前の機械に使われていたようなトグルスイッチで,デザイン的にも気に入った点です.小さくてかわいいですが,乱暴に扱うとポキッと折れてしまいそうで,ちょっと頼りない感じはあります.

◆音 質

DACやヘッドフォンアンプなどについての,アマゾンや価格コムのレビューを読んでいると,みなさんオーディオに詳しくて,高音の伸びとか,解像度とか,低域の厚み・押し出し感とか,とても説得力のある表現していらしていつも感心してしまいます.
わたしは,オーディオショップにひんぱんに足を運び,さまざまなメーカーのDACを聴き比べてiHA-21EXを選んだわけではありませんし,音を分析的に聴く能力も表現力もありませんので,そのようなレビューは書けませんが,ご容赦ください.
USBDACやヘッドフォンアンプの音質について正確な評価をするには,なじみの販売店から何種類かの製品を借りて,自宅でつなぎ替えながら試聴するか,使いなれたヘッドフォンと聴きなれた音源の入ったPCを持って販売店に行き,いくつかの製品を聴き比べるといったことをしなければなりません.わたしはどちらもしていませんので,AirMac Express とメインシステムのCDプレイヤーの音との比較だけになります.

よい音とは何でしょう?
むかしギターを弾いていましたので,5万円のギターと,100万円のギターを聴き比べれば,100万円のギターのほうが「音がよい」とわかります.
オーディオの場合はどうでしょうか?
たとえば,300万円のヤマハのピアノで録音された演奏が,2000万円のスタインウェイのように聴こえたとしたら,再生されている音は美しいかもしれませんが,それは,はたして「よいオーディオシステム」といえるのでしょうか.

わたしにとっての「よい音」とは,ノイズなどは論外として,ひとくちにいえば,「違和感のない音」「聴いていてここちよい音」「いつまでも聴いていたいと思う音」です.
昨年,遅ればせながらヘッドフォンを使うようになりました.若いころはウォークマンをイヤフォンで聴いていましたが,この20年くらいはスピーカーでしか聴いていませんでした.そのためヘッドフォンの音は,音質以前に聴こえ方の違いが大きく,最初は違和感以外のなにものでもありませんでした.
2つのヘッドフォンを交互に,何日間か聴いているうちに,「ヘッドフォンというものはこういう聴こえ方をするものなのだ」と理解し,そのときから,ヘッドフォンでも音楽を楽しむことができるようになりました.
わたしのオーディオに対する評価としては,ひじょうに雑駁で情けないですが,「何かおかしい」「まぁ,こんなもんだろう」「気持ちいい!」の3種類の印象で,90%決まってしまいます.

アップデートされたiHA21EX-2013を接続して鳴らしたときには,以前とあまり変わっていない印象でした.専用電源が届いて接続して鳴らしたときも,最初は大きな差は感じませんでした.
アップデートのためにiHA21EXを発送してから戻ってくるまでの約1週間,iTunesはAirMacExpressで聴いていたのですが,音が途切れることは覚悟していたので,そのときには音質的な不満は感じませんでした.
わたしの最近の生活パターンは,平日帰宅後はTVやネットを見ながら,ひたすらCDをiTunesに取り込み,週末の昼間に大きな音で思いきり再生して楽しむというかたちが多いのですが,1週間後の土曜日に再生したとき,音がかなり変わっていることに気づきました.
iHA21EX-2013は,コンデンサなどを交換したため,再度エージングが必要なのかもしれないと思い,また専用電源もエージングによる変化があるかと考え,就寝中や出勤中,小音量のヘッドフォン出力で再生したままにしました.電源はいまでも,常時入れたままの状態にしています.
その1週間後の週末には,さらに音がよくなっていました.

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アップデート前のiHA21EXは,Audirvana Plusなしでは,肌触りがザラッとした感じで,やや刺激的な音でした.情報量は多く,メリハリがあり,力強い印象ですが,音源によってはピアノの高音が割れる(歪む)ように響きます.
これは,ネットでいわれているように,iTunes自体(正確にはQuickTime)の音質的なレベルが低く,USBという音楽的に発展途上のデバイスを用いているためかもしれません.
Audirvana Plusを使うと,つやのあるなめらかな音になり,ピアノの高音も割れにくくなります. 品のいい音になるぶん,力強さは減少する傾向でした.

iHA21EX-2013+専用電源に変更後は,以前のようなザラッとした感じはなくなり,なめらかではつらつとした印象になりました.Audirvana Plusなしでも常用できる音質になったように思います.
Audirvana Plusは,メモリを2~4GB消費するので(その時によって差があるのはどうしてでしょう?),iTunesをBGMとして聴きながら,IllustratorやPhotoshopなどの重いアプリケーションを使うと,突然音が止まってしまったりします.また,Audirvana Plus使用中は,Time Machineによる自動バックアップが実行されません.
そのため,メモリに負担のかからないiTunesのみで,iHA21EX-2013+専用電源により,高音質の再生ができるようになったことは,とてもありがたいことです.
ピアノの高音はアップデート前ほどではありませんが,やはり割れたような感じになります.これについてはAirMacExpressでも同様の傾向がありますので,iTunes自体の問題と思います.

もうひとつ,失礼な表現ではありますが,ヘッドフォン:Beyerdynamic T1 の上流を受け持つUSB-DAC・ヘッドフォンアンプとして,力不足な印象がなくなったことも大きな変化です.Beyerdynamic T1は,長いケーブルが邪魔なためデスクトップではほとんど使わず,夜中にLPを聴くとき専用になっていたのですが,最近しばしば iHA21EX-2013のヘッドフォンポートにさして使うようになりました.
T1はインピーダンスが600Ωと高く,どちらかというと鳴らしにくいヘッドフォンです.SONYのプリアンプ経由のときでも音源によっては2時くらいまでヴォリュームを上げないと望みの音量が得られないので,小さなiHA21EX-2013 直刺しでは音量的にものたりないかと思ったのですが,じゅうぶん満足できる音量が得られました.クオリティも高く,SENNHEISER RS220では聴くことのできなかった音楽を聴かせてくれます.DACとしてだけでなく,ヘッドフォンアンプとしても相当の実力をもっているように思います.
部屋の中を動き回ったり,掃除機をかけたり,なにかをしながらの“ながら聴き”のときはワイヤレスのSENNHEISER RS220,じっくり聴くときはBeyerdynamic T1,と使い分けています.ヘッドフォンはあまり好きではありませんが,オーディオに対するわたしの唯一のモットーである「ジャズは(なるべく)大きな音で聴く!」を,集合住宅で夜中に実践するためには,やはり必要ですね.

iHA21EXのアップデートをして,ほんとうによかったと思っています.とくに現在は,1か月以上のエージングと専用電源の効果とがあいまって,以前とは別物という印象です.
きのう,このレビューを書くために,ひさしぶりにAirMacExpressの音と聴き比べてみました.Audirvana Plusなしでも,あきらかに音がよくなっていることを実感しました.CDプレイヤーを1ランクグレードアップした印象です.いつか,故障の修理などのため,にiHA21EX-2013を短期間手放さなければならなくなったときには,そのあいだAirMacExpressでは満足できなくなっているかもしれません.
現在も,Audirvana Plusを使った場合と使わない場合の差はやはり大きいと思います.とはいっても,Audirvana PlusがCDから取り込んだ16bit/44.1kHzの音源を24bit/192kHzにアップコンバートしてiHA21EX-2013に送り,iHA21EX-2013がそのデータを損なうことなくDA変換してメインシステムのプリアンプに送ってくれているからこそ,現在の再生音が実現していることは間違いありません.

iTunesとAudirvana Plusは,いまのわたしにとって,「神アプリ」です.
Audirvana Plusをつくった人は,きっと Macと音楽が大好きなのでしょうね.その機能と音質から,作者の深い愛情や思い入れのようなものが伝わってきます.
しかし,神の世界(デジタルの世界)でどんなに美しい調べが奏でられていても,「1と0のデータ」のままでは,わたしたちの現実世界(アナログの世界)では,音楽として楽しむことはできません.プロメテウスが天上の火を人間たちにもたらしたように,デジタルのデータをアナログの音楽に変えてわたしたちの耳に届けてくれるDACという存在があってこそ,デジタル・オーディオが成立していることはいうまでもありません.

iTunes+Audirvana Plus→iHA-21EX-2013+iPSU-1-2013から再生される音は,なめらかでしっとりとした艶をもちながら,ジャズに欠かせない厚みとエネルギー感をも併せもち,ほんとうに「いつまでも聴いていたいと思う音」です.iTunesの画面をみながら,「つぎは,このアルバム」「そのつぎはこのアルバム」と,際限なく聴きつづけたいと思ってしまいます.実際,平日なのに“気がついたら夜中の1時過ぎ”ということがしばしばあります.
メインのオーディオシステムの音として,誰に聴かせても恥ずかしくないものになっていると思います.現状,なんの不満もありません.

もうひとつiHA-21EX-2013の恩恵を感じるのは,ポータブルCDプレイヤー:PANASONIC SL-S170(これも20年近く前に買った普及品ですが)でCDをかけ,スピーカーやヘッドフォンで聴いたときです.MacにCDを読み込んでいるときはiTunesでの再生はしませんので,ちょっと聴きたいときにポータブルCDプレイヤーを使うのですが,直接つないだときとは雲泥の差で,ピュア・オーディオに近いレベルで楽しめます.

iTunesには,現在CDからの音源を6万曲近く取り込んであり,手持ちのCDだけで7万曲を超えると思います.そのあとには,LPからの取り込みという大仕事が控えていますが,これは,ゆっくり楽しみながら進めていきたいと思っています.
今後,わたしの部屋では,90%以上このシステムで音楽を聴くことになると思います.

ネイティヴの24/192のハイレゾ音源は相当の高音質といわれていますが,現在のところ,欲しいコンテンツが少ないのと高額なため手を出していないので,iHA21EX-2013の真価は理解していないかもしれません.しばらくは,手持ちの音源を活用したいと思っています.LPの取り込みはたいへんそうですが・・・

PCオーディオを始めて4か月ほどで,満足できる再生環境を整えられたことは,非常に幸運だったと思います.今後は,データを壊さないように,ライブラリの充実に専念したいと思います.

 

130312g

 

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とても参考になるご意見とご感想をありがとうございます。

System13の開発も終わり、今回のコラボレーションプロジェクトは終了となります。

社外協力の企画ではzionoteの名前が出ないことがほとんどですが、これからももっと音楽を楽しむためにできることを精一杯頑張って、良い製品、良い環境を作って行きます!