独断と偏見でPCオーディオ正味な話し(番外編)

ポータブルヘッドフォンアンプ、小型ヘッドフォンアンプはcmoyやchumoyといった自作、DIYな回路がネットで公開され、OPAMPの入れ替えなどの要素もあってじわじわとブームになってきました。
日本では2000年過ぎくらいだったでしょうか。

それと前後してパソコン用サウンドカードのMAYAがOPAMPを簡単に交換できるソケット式OPAMPにして秋葉原で話題になりました。
市販製品でOPAMP交換式を仕様とした機種はこれが初めてだと思います。

自作小型ヘッドフォンアンプの多くは外部電源ではなく電池駆動なので、自然とポータブルヘッドフォンアンプとしても使える内容でした。
設計がネットで公開されておりガレージメーカーや個人取引での機種はあっても国際的に流通する市販製品という物はなく、おそらく製品として世界初のポータブルヘッドフォンアンプはAudiotrakのDR.HEADでしょう。

初ヘッドフォンアンプ


これはchumoyの設計をベースにしてダイヤモンドバッファーで構成され、オリジナルのアルミケース、内蔵電池など、現在のポータブルヘッドフォンアンプでも多く使われている構成でした。

DR.HEADはかなりヒットし、ささきさんと知り合ったのも確かこの頃だったと思います。
DrHeadゲット!(Music TO GO!)

 

初DAC


DR.HEADに続いて企画されたのがDR.DACでした。
その頃はM-AUDIOがレコーディング機材として作ってましたが、音楽観賞用ではなく音もそういう作りでした。
DR.HEADを置いていただいたオーディオショップさんに企画を持って回りましたが(私もたまにはそう言う事もします)、デジタル信号をアナログに変換するだけの機械の意味を理解してもらえず苦労しました。
理解してもらえた部分は、DACチップに良いチップを使ってる、このクラスのチップは相当なハイエンド機じゃないと採用されないレベル、という部分と、電池内蔵でポータブルでも使える、そしてOPAMPを交換できる、という点でした。
これもDR.HEADのヒットがなければ理解されなかったはずです。

DR.HEADのDAC版、ヘッドフォンアンプ内蔵DACは絶対に良い機種になる、なによりも自分が欲しい!と思えた機種で、実際にかなりヒットしました。
しかしこの準備を終えて私は一回この会社を離れたので、発売時には残った社員に頼んで売ってもらいました。
発売には関わりませんでしたが今でも思い入れのある機種です。

 

自身初のオリジナルブランド

番外編から更に脱線しますが、Audiotrakの仕事を辞めて立ち上げた会社でiHA-1を作りました。
作ったと言っても私は設計もデザインもできないので、やった事は今と同じ様な内容でした。
この仕事と併行してフリーで製品企画やチューニング協力を請けるようになり、ブランド協力や海外製品調査なども少しずつ請けるようになり、それらがzionote立ち上げの下地になりました。
その仕事先の1つが辞めたAudiotrakの会社だったので、DR.DAC2でまた関われた事に縁を感じました。

 

初USB-DAC


zionoteを立ち上げるきっかけになったのは、なんと言ってもStyleaudioのCARATです。
パソコンとUSBで繋がるオーディオ機器、ヘッドフォンアンプ内蔵でDACとしても使える、今のPCオーディオの基礎を作ったとも言える機種、そしてブランドです。
Styleaudio社はPC-Fiという言葉を使ってますが、それまでPCサウンドという言葉だったパソコンの音楽鑑賞をPCオーディオと変えられたのはStyleaudioのお陰だと思ってます。

USB-DACとして発売し、PCオーディオ、USBオーディオとして販売しましたが、まだまだ「パソコンで音楽を聴くなんて」という意見も少なくない状況でした。
しかしパソコンで音楽を聴くという流れは絶対に広まるという自信があったのは、音楽を作っている現場ではパソコンを使っていて、この流れは強まるにせよ弱まる事はないのは間違いなかったからです。
プロがレコーディングや編集でパソコンを使って聴いてるのに、再生する時にパソコンを否定する決定的な理由は存在しないはずです。

事実、その後のパソコンを使った音楽鑑賞、PCオーディオの流れは加速するばかりです。

 

初USB-DDC

続いて登場したのがイタリアM2TECH社のhiFace。
パソコンのUSBポートに接続するスティックタイプの小さい製品で、同軸出力があるだけ。
しかしそれまで無かった24Bit/192kHzの出力が可能な画期的な機種でした。
しかしデジタル信号であるUSBから、同じくデジタル信号のSPDIFに変換するメリットというものを説明してもなかなか分かってもらえませんでした。

これは専門家である販売店さんも同業他社の知人友人も同様だったのでハードルが高いと感じました。
製品の説明の前にデジタル・デジタルコンバーター、DDCの説明が必要だと思ったのはDR.HEADでヘッドフォンアンプの説明、DR.DACでDACの説明からする必要があったので自然な流れでした。

小型、シンプル、(比較的)低価格。そんなhiFaceは今までパソコンを使った音楽鑑賞に興味が無かったオーディオショップさんにも広く扱っていただき、PCオーディオの大きな一歩となったモデルです。

 

初よりも何よりも使って喜ばれるものを

ポータブルヘッドフォンアンプ、DAC、USB-DAC、USB-DDCときて、次に何ができるのかまだ分かりません。
何も新しい事だけを狙って動いてるわけでもありません。既に誰かがやってる事、今売れてるから同じ事をするという事にモチベーションは感じません。
まだ無い物、選択肢が無い部分に選択肢を増やす、やるからには「何それ?意味あるの?」と否定される所からスタートできるような仕事を続けていたいです。